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M&Aの手法一覧!それぞれの手法を徹底解説!

ビジネスマン

M&Aとは、Mergers and Acquisitions(買収合併)の略で他企業の経営権取得の手法です。具体的な手法は大括りに買収・合併・分割に分かれそこから複数の手法に分岐していきます。

この記事では、M&Aの手法について具体的かつ詳細に解説します。

1)M&Aは3パターン15分岐で解説できる。

M&Aの手法は、3パターン15分岐で解説できます。それは、おおよそ以下のような分類になります。

【1】M&A手法の分類

1:買取

・株式取得:株式譲渡・新規引受・株式交換(移転)TOB・MBO
・事業譲渡

2:合併

・吸収合併
・新設合併

3:分割

・新設分割:分社型分割・分割型分割
・吸収分割:分社型分割・分割型分割

以上、3つのパターンと15分岐で解説できます。

ここからは、上の順番に従い3パターン、15分岐を解説していきます。

※参考サイト:完全報酬制のM&A専門会社インテグループ

2)M&A買取の手法

腕組をして見つめるビジネスマン

M&Aの手法の買取とは株式を買い取る手法を言い、株式譲渡、新規引受、株式交換(移転)の3つがあります。株式取得の特徴は対象になる法人主体には変化がなく、単に対象法人株主が変更される事を言います。

対象法人の組織に変更が生じないので、M&Aのもう一つの手法合併とは大きく異なります。この章では、M&A買取の手法について具体的に解説します。

【1】株式譲渡

中小企業のM&Aで一番利用されているのが株式譲渡で、中でも最も手続きが簡単なのが株式譲渡です。

株式譲渡では、個人や法人が保有する株式を売買して株主を変更する方法です。事業も会社組織も変更されず株式を保有する人が変わるだけなので、法務局への登記変更や役所への手続きは不要です。

買取、合併、分割の中では一番手続きが簡単であり、広く活用されている手法です。

(1)株式譲渡のメリット

株式譲渡のメリットは、株主が変わり経営者が入れ替わるだけで、会社組織や従業員に変更もないので取引先との関係も大きく変わらない点です。

つまり株式譲渡があっても会社はそのまま営業を続けられ直ぐに利益があげられるのです。

(2)株式譲渡のデメリット

株式譲渡のデメリットは買い手としては、売り手が申告しなかった簿外債務や訴訟のようなリスクに直面する事です。株式譲渡では経営権が完全に移転するので、買い手はそのようなリスクも一緒に引き継がないといけないのです。

このようなリスクを回避する為に、デューデリジェンスのような財務監査などをしっかり活用する必要があります。

売り手のデメリットは、経営権をすべて手放す事で全くの他人になって経営にタッチできない点です。

覚悟はしていても、実際に会社が人手に渡ると心理的ダメージは大きくなるので株式譲渡は慎重に考えましょう。

参考サイト:フリーウェイ経理

【2】新規引受

新規引受とは、第三者割当増資ともいい会社が特定の第三者に新株を引き受ける権利を与える手法を差します。このようにして、第三者に発行株式を購入してもらう事でお金を集める方法です。

新規引受は既に取引がある企業、銀行、自社役員や従業員などに対する事が多く縁故者割当増資とも呼ばれます。

(1)新規引受メリット

新規引受に関するメリットとデメリットを解説します。

新規引受のメリットは、株式増資による資金調達なのでお金を返済する必要がありません。また、縁故者に株式を保有してもらう事で、株式保有者はより頑張って会社の業績向上を目指すようになり信頼関係が醸成されます。

そして、増資する事で会社の資本金が増加するので、企業価値も向上し信頼が高くなる事で銀行融資などが容易になるメリットがあります。

(2)新規引受デメリット

新規引受のデメリットは、新規株の発行で既存株主の持株比率の低下を招くリスクがあります。また、株式の発行により資本金が増加すると納税額が上昇する事があります。

それから、資本金の額を変更すると必ず変更登記をする必要があり、最低でも登録免許税が3万円(登録免許税は増資金額の千分の七)

変更登記を司法書士などに依頼した場合には、そのコストも掛かります。

※参考サイト:起業LOG

【3】株式交換(移転)

株式交換とは、株式会社がその発行した株式を他の株式会社や合同会社に100%取得させるM&Aの手法の事です。株式交換により株を100%取得した会社は、株を譲渡した会社を完全子会社化し自分は完全親会社となります。

ところで、株式交換と似た手法に株式移転がありますが、この両者は明確に違うものです。

・株式交換・・すでに存在している他の会社に株式を取得させる

・株式移転・・これから設立する新しい持株会社に株式を取得させる

このように株式移転が会社買収を含めた組織再編であるのに比べ株式移転は会社内の組織再編の意味合いが強くなります。

(1)株式交換のメリット

株式交換のメリットとデメリットについて解説します。

通常の株式譲渡を使って完全親会社と完全子会社を作る場合には、買収する側は個々の株主と譲渡に関する契約を結ぶ必要があります。

しかし株式交換なら、仮に株主総会で反対があっても、2/3以上の賛成を得れば、完全子会社化を実現できるのです。小規模な株主にとっては、株式譲渡はかなり強引な仕組みであるという事が出来ます。

また、株式交換では、親会社は自社の株式を渡せば、現金を支払わなくてもいいメリットがあります。

そして、完全子会社は親会社の傘下に入っても法律上は別法人で、既存の会社名を継続でき取引先や従業員の抵抗を減らす事が出来ます。つまり株式交換は株式譲渡より子会社の独立性が担保される手法なのです。

(2)株式交換のデメリット

株式交換で完全子会社を作った場合には株式譲渡同様に子会社の資産だけでなく負債も引き継ぐ事になります。なので、株式交換では慎重に買収する会社の財務や法務面を調べる必要があります。

そして株式交換では現金を使用しないで済むメリットがありますが、子会社側から見ると現金が入ってこないのはデメリットです。

親会社が上場会社なら株式を売る事も出来ますが、非上場企業に買収されると受け取った株式を現金化するのも困難になります。

※参考サイト:M&A総合研究所ポータル

【4】TOB

TOBとは、テイク・オーバービットで株式公開買付の事です。買収先会社の株式を取得すると大々的に告知し、金融商品取引所を通さずに不特定多数の株の保有者から接株を買い取ります。

これは買収先の会社を通さずに、その株式を買い集める性質なので、敵対的買収や該当会社の経営権を握ろうとして利用されます。

また、TOBで買取告知をしても予定数に到達しなければ、TOBを取り消す事が出来るのでリスクもないのが特徴です。

参考サイト:LISKL

(1)TOBのメリット

TOBのメリット、デメリットにはどんなものがあるか解説します。

TOBの買い手メリットとしては、あらかじめ計画した期間と金額で大量の株式を一度に買収できる事があります。証券取引会社を通して株式を大量注文すると、それにより買い占めたい株の値段が上昇してしまい、予算を大幅に超えてしまう事が起きます。

しかし、TOBは個別の株主に一律の価格を提示するので、株価が暴騰するリスクがないのです。

もう一つは、不要なコストがいらない事で、前もって株式数に上限と下限を設ければ、上限を超えたり下限を下回った株は買わない選択も出来ます。

ただ、TOBは公開買付代理人業務を証券会社に依頼しないと出来ないので、TOBが不成立でも報酬を支払う必要があります。

(2)TOBのデメリット

TOBのデメリットは、買収しようとする会社の猛烈な抵抗が予想される事です。

対象会社は望まない買収を回避しようと新株を発行して株主の株式保有率を下げたり(ポイズンピル)、競合会社に株を買ってもらうなど防衛策を取ります。

これにより買い手は無用なコストを支払う上、強引に会社を買収しても、従業員は新しい経営者に好感を持たず経営も停滞します。

そのような事から、敵対的なTOBを選択する会社は、少なくなっています。

※参考サイト:FUNDBOOK

【5】MBO

MBOはマネジメント・バイアウトで、経営陣や従業員が自社や自社の事業部門を買収する手法です。

敵対的買収を阻止する名目で選択したり、中小企業では経営陣が引退して従業員や社員に経営を引き継ぐ方法として利用されます。

資金は銀行やファンドから調達し、既存株主に対して独立した経営権を取得できるのがメリットです。

参考サイト:LISKL

(1)MBOメリット

MBOには、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

MBOのメリットは、経営陣や会社員が株を取得する事で長期的な経営戦略が立てられる事です。会社は株主のものですから、株が株主に独占されている場合には短期的な利益を求めるあまりに成長性を無視した要求をしがちです。

しかし、会社が株主の要求に応えすぎると長期的な経営が難しくなるのです。

MBOにより自社の株式を経営陣や従業員が集中的に取得すると株主の干渉を避けて、自由な意思決定が可能になるのです。

またMBOに従業員も参加している場合には、会社の業績を伸ばす事が配当金の増加にもつながるので経営陣と従業員の連帯感が増します。

(2)MBOデメリット

MBOのデメリットは、既存の株主との間で緊張と摩擦を生み出すリスクが発生する事です。

元々、短期的な利益が欲しい株主と会社を成長させる為に長期戦略を立てたい経営陣では利害が衝突しやすいからです。上手く根回しを進めないとMBO自体が株主の反対で頓挫する可能性もあります。

また、MBOが成功しても、それは経営陣に株式が集中する事を意味し経営がワンマン化し社会の変革に対応できなくなる場合もあります。

それから、上場会社がMBOを実行すると上場は廃止され、再上場するまで市場で資金調達ができなくなり会社の資金繰りが悪化するリスクもあります。

MBOは、このようなデメリットを踏まえて実行しないといけません。

参考サイト:M&A総合研究所ポータル

【6】事業譲渡

事業譲渡は会社が持つ事業を他の会社に譲渡してしまう手法です。

この事業譲渡における事業は、会社を経営するという目的の為に組織化された財産を意味していて、事業組織、従業員、ノウハウ、のれん、負債等が該当します。

事業譲渡は事業の一つ、或いは複数、または全部を譲渡する手法ですが、会社自体を売却しないので会社の独立性や法人格は維持できます。

株式譲渡との大きな違いは、株式譲渡は会社そのものを譲渡するのに対し、事業譲渡は切り売りであり会社は残る点です。

(1)事業譲渡メリット

事業譲渡のメリットとデメリットにはどのような事があるのか解説します。

事業譲渡のメリットは会社を存続したまま現金収入が得られる事です。例えば不要な事業のみを売却して現金に換え、それを主力事業の資金として活用する事が出来ます。

株式譲渡より得られる現金は少ないものの会社を維持したまま不要部門を売却できるので会社を手放したくない経営者にはメリットがあります。また、残しておきたい部門は残せるので経営者の好みにあった事業再編が可能になります。

(2)事業譲渡デメリット

事業譲渡のデメリットは、事業の切り売りが出来るという性質である為に、こちらが売却したい事業を相手が購入するとは限りません。

一番顕著なのは負債で、株式譲渡だと負債も資産も全て含めて買い手は引継ぐ義務がありますが、事業譲渡では負債の引継ぎは拒否できます。

もう一つは、事業譲渡は新規契約なので従業員の雇用契約の更新、取引先との契約の結び直し、不動産の移転登記、行政庁への許認可申請など手続きが煩雑です。

例えば、買い手に従業員を譲渡しても契約更改で揉めてしまいなかなか引き継ぐ事が出来ないようなリスクも発生するかも知れません。

また、事業譲渡の場合、課税は法人税になり、株式譲渡の所得税に比較して課税は高くなります。

※参考サイト:M&A総合研究所ポータル

3)M&A合併の手法

ビジネスマン

M&Aの手法の合併とは、a社とb社が統合しどちらか一方、或いは双方の会社が消滅した上で新しい会社を作る方法です。この時に、合併で出来た会社はa社とb社の組織や株式、資金、人材を全て統合します。

M&Aの手法の中でもかなり強い結束力が見込めますが、全く違う会社を一つにするのは時間と労力が必要で通常は時間を掛けて併合されます。

合併には「吸収合併」と「新設合併」があります、ここでは、その2つの手法について解説します。

【1】吸収合併

吸収合併とは、a社とb社の中で1社を存続会社にし、もう一つの会社を吸収して合併統合する手法です。

例えばa社が存続すると、a社はb社が保有している資産、負債、土地の権利や義務、従業員など全てを引継ぎ吸収します。この場合a社は「存続会社」、b社は「消滅会社」と呼ばれます。

実務上、新設合併よりも吸収合併の方が事業を引き継ぐ性質上、許認可申請が要らなかったり、登録免許税が安価などの理由で多く選択されます。また、吸収合併では存続会社の株式引継ぎ率が問題点になります。

つまり、比率が存続会社1に対し、消滅会社0.5だと、消滅会社の従業員が引け目を感じて勤労意欲を低下させる恐れがあります。

その為、一般的な吸収合併では株式の価格に関係なく、1:1の対等合併がよく採用されます。

※参考サイト:M&A総合研究所ポータル

(1)吸収合併メリット

吸収合併の手法にはどんなメリットとデメリットがあるのかを解説します。

吸収合併のメリットは、包括継承なので契約や権利関係、従業員の再契約雇用という手続きが不要です。さらに、二つの会社が一つになるので会社も大きくなり、組織統一で双方のノウハウを活かしたシナジー効果も期待できます。

もう一つ、吸収合併では対価として株式を交付する方法を取れるので、その場合には買収資金が不要になります。

(2)吸収合併デメリット

吸収合併のデメリットは、合併まで厳格な手続きを踏まないといけない事です。実際の合併には、株主総会特別決議、書類の備置・閲覧、反対株主の株主買取請求への対応や吸収する会社の債権者保護など複数の手順が必要です。

ただし吸収合併には、略式合併という制度もあり、存続会社が消滅会社の株式の90%以上を保有しているなどの条件を満たすと株主総会特別決議を省略できます。

【2】新設合併

新設合併とは、合併当事会社とは別に新しく会社を設立してそこに当事会社の全ての資産や負債を吸収する手法で会社法2条28号で規定されます。

具体的に言うと、a社とb社が消滅し新しく創設したC社に吸収されるというイメージです。合併には吸収合併と新設合併がありますが、新設合併にメリットが少なくデメリットが多いので、あまり採用されない手法です。

(1)新設合併メリット

新設合併のメリットとデメリットには、どんなものがあるのでしょうか?

新設合併のメリットには、関連事業を営む業者同士の合併によるシナジー効果が挙げられます。シナジー効果までいかなくてもシステム統合による業務の合理化でコスト削減が図れるメリットも考えられます。

また、吸収合併の場合は消滅会社の従業員は会社を失いネガティブな感情になりがちですが、新設合併は新しい会社なので感情的負い目が軽減されます。

(2)新設合併デメリット

新設合併のデメリットには、新しく会社を設立するので吸収合併に比較して手続きが面倒になる事があります。

以下に、新設合併の手続きスケジュールを挙げてみます。

①準備期間(債権者への説明会、合併契約書作成)

②取締役会の承認(取締役会の承認や官報公告掲載)

③合併契約締結(当事会社同士で新設合併を合意契約)

④債権者催告(官報公告掲載・事前開示書類設置)

⑤株主総会招集通知

⑥株主総会の決議

⑦合併効力発生(消滅会社の決算・新設合併の効力発生)

⑧登記完了

このように新設合併では、消滅する会社の債権者を保護するための説明や取締役会の承認、株主総会決議、官報公告掲載などが続きます。吸収合併と違い、略式合併のような制度も使う事は出来ません。

また、吸収合併では、消滅会社の株主に対価として現金を受け渡す事が出来ますが新設合併では現金を渡す事は出来ません。

それから株式上場の対応でも、吸収合併の場合は存続会社が上場企業の場合には上場が維持できますが、新設会社の場合には上場廃止で再上場は、改めて手続きが必要になります。

もうひとつ新設合併と吸収合併では登録税にも差があり、吸収合併の時には、資本金の増加分のみへの課税ですが新設合併では資本金全体に課税されます。

※参考サイト:事業譲渡・営業譲渡・会社分割・M&Aの手続き解説
※参考サイト:簡易合併と略式合併 – 公認会計士・税理士松本会計事務所
※参考サイト:M&A総合研究所ポータル
※参考サイト:M&A総合研究所ポータル

4)M&A手法分割

ミーティング

M&A手法の分割は、会社が事業の全てや一部を他の会社に引き継がせる事、または会社を分割して新しく設立する手法です。分割には「新設分割」と「吸収分割」があります。この章では、両方の分割手法について解説します。

また、分割は細かく分類すると人的新設分割、人的吸収分割、物的新設分割、物的吸収分割、共同分割の5種類に分かれます。

こちらの5種類の分割についても詳しく解説します。

【1】新設分割

M&A手法としての新設分割とは、既存の会社を複数に分割して会社を新設する方法です。

例えばaという会社の中に多額の債務を抱えている部門bと利益を出している部門Cがあった場合、利益を出している部門Cを分割し新たな設立会社として承継させます。このようにして、不採算な部門bをa社に残し採算の取れる部門Cを切り離して会社の再生を図るのです。

新設分割には「分割型」と「分社化」があり、その違いは以下の通りです。

分割型:事業の一部を切り離し新設会社に承継、新設会社の株式は分割会社の「株主」が取得(人的新設分割)

分社型:事業の一部を切り離し新設会社が承継、新設会社の株式を「分割会社」が取得(物的新設分割)

簡単に言うと新設会社の株式を株主が持つのが分割型、会社が持つのが分社型という事です。

(1)新設分割のメリット

ここでは新設分割のメリットとデメリットについて解説します。

新設分割のメリットは、対価を株式で支払う事が出来る点で現金を使わずに事業譲渡と同じ効果を得る事が出来ます。また会社の一部を切り離して分割する事で不採算部門を切り離したり、他社の同一部門と統合する事が可能になりグループ内再編や合弁企業の設立も可能です。

(2)新設分割のデメリット

新設分割のデメリットは、原則として株主総会の特別決議(賛成:2/3以上)が必要で株式譲渡の手法よりコストと手間がかかる点です。

それから、一定規模以上の新設分割の場合は、自社債権者に異議申し立ての機会を与えねばならず、異議の内容によっては個別に弁済をするなど手続きが必要です。

また新設分割は、事業譲渡と事業の切り離しが出来ますが、事業譲渡と違い会社法の組織再編行為にあたり、事業は包括継承になります。

つまり、簿外債務や不要な負債などを引き継ぐリスクを回避する事は出来ません。

参考サイト:深井公認会計士事務所/深井コンサルティング株式会社
※参考サイト:M&A総合研究所ポータル

【2】吸収分割

吸収分割とは、会社の中から事業の一部、または全部を切り離して既存の他社に引き継がせるM&Aの手法です。新しく会社を設立する新設分割との違いは、事業を引き継ぐ相手が既存の他社か新設会社かの違いです。

また、吸収分割にも当事者同士の関係や規模により4種類に分類されます。

吸収分割にも「分割型」と「分社化」があり、その違いは以下の通りです。

分割型・・・会社aが会社bに事業を引き継ぐ、会社aの「株主」が株式(または現金)を取得(人的吸収分割)

分社型・・・会社aが会社bに事業を引き継ぐ、「会社a」が株式(または現金)を取得(物的吸収分割)

(1)吸収分割の4つのパターン

吸収分割の際に事業の規模や当事者の関係性で変化する4つの吸収分割のパターンを解説します。

①直接承継型・・・会社aが事業を分割し会社bに直接事業を引き継ぎ、会社bは会社aに対価を払う

②新設分割との混合型・・・会社aが事業を引き継ぐ時、会社bが完全子会社、会社Cを設立し、会社Cに事業を引き継ぎます(会社bは会社aに現金払い)

③完全親会社と完全子会社の吸収分割・・・完全親会社と完全子会社同士の吸収分割で親会社の事業を子会社が引き継ぐ(完全子会社の為、株式も現金も不要)

④無対価会社分割・・・会社aの完全子会社であるB社の事業を同じく完全子会社のCに引き継がせる(㈫と同様株式も現金も不要)

(2)吸収分割のメリット

吸収分割のメリットは事業譲渡と同じく会社の重要な一部分だけを切り離せるので、グループ再編成したり経営統合をしたり出来る事です。

また吸収分割は、事業を引き継ぐ会社が対価として現金か株式か、どちらでも支払いが出来ます。

(3)吸収分割のデメリット

吸収分割のデメリットは新設分割と同じく形としては事業譲渡に似ていますが、個別ではなく包括承継なので簿外債務などの負債を背負うリスクがあります。

※参考サイト:M&A総合研究所ポータル

【3】共同分割とは?

共同分割とは、会社法で定められた手法で、分割会社が二社以上によって共同でなされる会社分割の事です。逆に分割会社が一社のみの会社分割を単独分割と言います。

5)M&A手法に関するQ&A

QとAを持つスーツの男性

ここまで、M&A手法の種類と方法について解説してきました。この章では、上記で触れなかったM&A手法についての疑問・質問について解答します。

【Q1】M&Aで株式譲渡を考えているが、息子が経営者として関わっているので部分的に事業を残したい

すでにご家族が会社経営に関わっている場合、株式譲渡の手法を使うと全ての事業を売り払い無職になります。

しかし、ご家族の年齢によっては、今から一般サラリーマンとして就職は厳しいという事もあります。

そのような場合には、M&Aの前に残したい事業や店舗を新会社として分割するヨコの会社分割スキームが利用できます。

または、残したい事業を子会社化してから株式譲渡をするタテの会社分割スキームも活用できるでしょう。

【Q2】昔、会社を設立する時に知人の名前を借りて名義株を造りました。これからM&Aをするにあたり問題になりそうなのですが、どうすればいいですか?

かつては株式会社を設立するのには、7人の出資者が必要でした。そこで、7人の出資者を集めきれない場合には、知人や家族、親族の名前だけを借りて株式を持っている形にしていました。

これを名義株と言い、中小企業には典型的なケースです。名義株の問題をクリアするには、最終契約書で売り手が名義株の責任を持つ事を明記する事です。

具体的には、名義株主から名義株である事を証明する一筆をもらうなどして、万が一の場合に買い手がリスクテイクできる書類を揃えます。

そして、最終契約書の「表明・保証」で売り手が責任を取る事を保証すれば、問題はこじれないでしょう。

【Q3】M&Aを希望していますが、買収後に会社が合併されて消滅するのに耐えられません。仲介アドバイザーはM&Aで合併を選ぶのは面倒な手続きが多く稀ですと楽観的ですが信じていいのでしょうか?

仲介アドバイザーの言う通り、M&Aの手法としての合併は手続きが面倒で実際に用いられる事は稀です。しかし、それはあくまでM&Aの手法として選択しないだけであり、会社を買収した後に合併を選択する可能性はあります。

買い手は買収会社の事業が欲しいのであり、その社のブランドは必要ではない場合も多いからです。

どうしても合併を避けたいなら、会社ブランドに魅力を感じ会社存続を尊重する買い手を探すしかないと思います。

5)この記事のまとめ

M&Aの手法については、以下のようにまとめる事が出来ます。

・M&A手法は大きくわけて、買取、合併、分割に分けられる。

・買取手法には株式取得と事業譲渡があり、株式取得には、株式譲渡、新規引受、株式交換(移転)TOB、MBOなどがある。

・合併には吸収合併と新設合併がある。吸収合併は1社が1社を吸収し存続会社として残るのに対し新設合併は双方の会社が消滅し新設会社に吸収される。

・分割には、新設分割と吸収分割があり違いは、事業を引き継ぐ相手が既存の他社(吸収分割)か新設会社かの違いである。

・人的分割と物的分割の違いは、取得した株式や現金が株主に渡るか、会社に渡るかの違いである。

・共同分割とは、会社法で定められた手法で分割会社が二社以上によって共同でなされる会社分割である。

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