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最終契約まであと一歩!M&Aにおけるデューデリジェンスとは?

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近年、日本でも多く行われているM&A。このM&Aにおいて重要なプロセスといわれるのがデューデリジェンスです。買収対象企業や専門家との密なコミュニケーションをも要すると言われるデューデリジェンスですが、どのように行われるのでしょうか。

デューデリジェンスの意味や詳しいプロセスについて説明します。

1)デューデリジェンスとは?

デューデリジェンスdue diligenceとは英語のdue(当然の、または正当な)とdiligence(勤勉、精励、努力)などの意味を組み合わせた言葉です。直訳すると「当然の努力」という意味になります。

日本語訳では投資家が投資を行う際や金融機関が引受業務を行う際に対象者に事前に行う「適正評価手続き」を指します。

【1】買収側が行うデューデリジェンス

M&Aにおけるデューデリジェンスの意味は買い手側が買収予定先の企業の経営実態や問題点について調査することです。

買収予定の企業から直接得た情報だけでは情報が不足しているケースもあり、中でも買収後の事業継承に支障が出るような重大なリスクが潜んでいるケースや、売り主自体が把握しきれていない問題が存在するケースもあります。

M&Aにおけるデューデリジェンスは高い専門性が必要とされているため、外部の専門家に調査依頼をし、M&A実行の是非や買収スキームの決定に役立てます。

デューデリジェンスにて買収先の企業の経営実態や問題点を知ることはM&Aにおいては買収価格が適正なのかを見極める重要な判断材料になるだけでなく、事業継承後のリスクマネジメントとの観点からも重要とされています。

【2】売主側が行うセルサイドデューデリジェンスとは

デューデリジェンスとは一般的には買い手側が費用を負担して専門家に依頼をします。これ以外に買収予定の企業、すなわち売り主側が費用を負担し行うデューデリジェンスのことをセルサイドデューデリジェンスと言います。

買い主側が行うデューデリジェンスは事業継承後に起こりえるリスクや経営実態を把握するために行いますが、セルサイドデューデリジェンスは自身の手塩にかけた企業のPRとも言える自身の企業の売却価値を最大化するために行います。

デューデリジェンスと同様に外部の専門家に依頼をして行い、提供資料として想定される書類の事前準備やヒアリング時に質問されるであろう項目を想定し、対応を検討するというもの。例えば、売る側の企業の財務状況や会計処理、税務について問題点はないか。

他にも人事や労務に関して指摘される点はないかなどの現状で把握しているかなど、いわゆるデューデリジェンスに対する事前準備を売り主側でも行うことをセルサイドデューデリジェンスと言います。

2)デューデリジェンスの重要性や目的

重要

デューデリジェンスは買い手側がM&Aを行うか調査・検討し、最終決定をするための重要なプロセスとも言えます。M&Aの案件ごとに「目的」というのはことなりますが、一般的なデューデリジェンスの目的はどんなものがあるのでしょうか。

【1】ディールブレイカーの有無について

ディールブレイカーとはM&Aの実行を取りやめなければいけないほどの大きな問題のことをいいます。よく挙げられる事例としては反社会勢力との関係です。他にも訴訟リスクがあまりに多額の場合や簿外債務などが挙げられます。

M&Aを行う目的が破綻するような重大な問題がある場合には検討を中断せざるを得ないため、早い段階での確認が必要になります。

【2】買収価格の検討

買収によるM&Aの場合には評価方法はさまざまですが、デューデリジェンスで調査した情報を元に買収価格が適正かを査定します。

買収価格における評価方法はDCF法が用いられ買収予定企業の事業の将来性への計画性や実現可能にするための計画に対する妥当性を調査します。他にもデューデリジェンスで知り得た財務や政務状況を踏まえて買収価格の検討を行います。

【3】買収スキームの検討

買収スキームとはどのような手法で買収されるのかということ。

当初の計画で企業全体の買収を検討していた場合でも買収するメリットが一部しかない場合、買い手側は企業全体を買収する必要がなくなります。そのような場合には買収予定企業の一部の事業のみを買収するスキームを検討することで買い手側に不利益が生じにくくなります。

【4】契約内容の検討

デューデリジェンスで得た情報を元に買収スキームを検討し契約内容も検討します。

契約後のトラブル防止のためにも売り手側に改善点がある場合は買収実行までに改善を求めることや、買収後の保証について求める場合もあるのでその旨を記載すべく内容を検討します。交渉によって契約内容に影響がでることもあるため、必ずしもデューデリジェンスの結果だけが検討材料とはなりません。

【5】買収手続きの確認

対象企業によっては買収までに多くの手続きがある場合があります。法的な手続きの場合は怠ることで罰則が課せられることもあるので注意して進めていく必要があります。

また、対象企業が海外企業の場合はより留意する点が多い場合もあるので慎重にデューデリジェンスを行い、買収手続きの確認を行うことが大切です。

【6】買収後の事業運用の検討

デューデリジェンスで得た情報を元に買収した企業の運営方針や運営体制を検討します。買収した事業の規模にもよりますがPIMの実施を検討するうえでもデューデリジェンスで知り得た情報は大変重要だと言えます。

3)デューデリジェンスのプロセス

デューデリジェンスは決して決まったプロセスで行われるわけではありません。案件ごとにそのプロセスもさまざまです。

【1】デューデリジェンスの事前準備

デューデリジェンスは基本合意がされた後で実施されますが案件ごとに調査する内容も異なります。

調査を開始する前にデューデリジェンスの目的を念頭に置き重点的に調査する項目を高い専門性のある専門家と協議し決定します。協議することで専門家と情報を共有・再確認をすることも。

これにより、買い手側のニーズをしっかり把握し、広範囲で専門分野について深堀して調査することが重要とされるデューデリジェンスにもしっかり対応できます。

【2】デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスの実施によりディールブレイカーの有無が初期の段階で確認する必要があります。ディールブレイカーの有無次第では調査続行を検討し直す場合も。

また、調査中に重点項目が追加や変更が必要になるケースもあるため、専門家と密に連絡を取りコミュニケーションをはかることも重要です。

【3】結果の検討

結果を踏まえて今後の方針を検討し決定していきます。

この案件の買収検討を継続するかをはじめとし、買収スキームや買収価格、契約内容などデューデリジェンスで知り得た情報を元に検討します。その際に必ず買収後の事業展開などについても協議します。

スムーズに最終的な交渉や契約が行われるためにもデューデリジェンスの結果と方針を確認するためにもとても大切な行程です。

4)M&Aにおけるデューデリジェンスの業務内容

スマホを見るサラリーマン

M&Aにおけるデューデリジェンスの大まかなプロセスの中でどのような業務が実際に行われるのでしょう。

業務フローは紹介するものにかぎりませんが一般的なフローをご紹介します。

【1】資料開示請求

買収予定の企業について知るために基本的な会概要などについての資料を請求します。これにより対象企業の概要を把握するためです。

【2】調査範囲の検討

開示資料を元に買収予定企業について事前に分析をしてどんな流れでデューデリジェンスを進めていくのかどこに重点をおくのかといったデューデリジェンスの調査範囲を検討します。

【3】追加資料の依頼や分析

調査範囲が決定したら、調査における必要手続きを行うと同時に買収予定企業へ最初に開示された資料以上に必要な資料のリストを送付し更なる開示を依頼し、その資料を元により分析を進めます。

【4】ヒアリング&現地調査

資料だけでは知り得ない情報についても把握するために買収対象企業へ出向き、社長や各担当者へのヒアリングを行います。

ヒアリング同様に資料だけでは把握しきれない対象企業の事業実態などを確認するために現地へ赴き調査することも。

デューデリジェンスによって調査をしている段階では必要以上の買収予定企業の社員に買収について知られてしまうと混乱を招く恐れがあるので注意が必要です。

【4】報告書の作成

全ての調査が終了したら結果を報告するための報告書が必要になります。

今後の方針に必要不可欠となるのがこの報告書です。

【5】デューデリジェンスの結果による検討

調査結果を受けてM&Aの買収スキームや価格、契約内容について見直して検討します。

M&A実行後の事業展開についても検討されます。

5)デューデリジェンスの依頼先について

デューデリジェンスはビジネス・財務・法務・人事・ITなどさまざまな分野を対象に行われます。財務や法務に関しては会計士や弁護士などが適していると考えられます。

それ以外の幅広い分野に対応するべく、M&Aの仲介業者も多数あるため、デューデリジェンスを行う際はどの分野について重点的に調査を行うのかをある程度検討した上で依頼をするべきとされています。

6)M&Aデューデリジェンスに関するQ&A

QとAを持つスーツの男性

【Q1】敵対的買収についてデューデリジェンスは行われるのか。

敵対的買収とはM&Aの戦略の一つで買収対象企業の取締役会などに同意を得ずに対象企業の株式を市場で買うことや株式公開買付け(TOB)を実施することで実質上の経営権を獲得することです。

経営陣の意向に逆らって行われるため友好的なM&Aと違い買収予定先の企業の協力を得てデューデリジェンスが行われるわけではありません。

【Q2】買収予定が海外企業の場合のM&Aにおけるデューデリジェンスは?

基本的には買収予定の企業が日本の企業であっても海外の企業であってもデューデリジェンスの方針などに違いはありません。

どの企業を買収予定としてデューデリジェンスを行うにしろ留意する点や重要視するべき調査項目は対象企業によって異なります。買収対象企業が海外の企業である場合に特に留意する点といえば、さまざまなことが懸念されるが不正のリスクに対する検出や対処が困難であること。

そのために海外企業とのM&Aの案件を多く取り扱っているコンサルタントにデューデリジェンスの依頼をしたり、海外の人材を起用する必要があります。

【Q3】デューデリジェンスの結果によって買収価格に変動はあるのか?

デューデリジェンス目的の中に“買収価格の検討”とありますが、あくまでもディールブレイカーの有無などを確認した上で買収予定当初の価格が適正かを検討するためです。

分かりやすく言えば、リスクの洗い出しをした上で契約前や契約後の対処について検討することを目的としているので、デューデリジェンスによって価格が高騰することはありません。

価格が見直されるとすれば交渉によるもののケースが多いです。

7)この記事のまとめ

デューデリジェンスとはM&Aを行う上で重要なプロセスになります。

そのため、さまざまな分野の専門家が関与することが多く各専門家とのコミュニケーションが非常に大切です。

また、買う側の企業も売る側の企業も友好的なM&Aの場合はデューデリジェンスの重要性を認知した上でお互いに配慮をすることで、買収後の事業を円滑に勧めるポイントとなるのではないでしょうか。

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