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会社譲渡とは!経営者が知っておくべき会社譲渡の基礎知識

デスクワーク

会社を手放すという行為は、現在では珍しくもなくビジネス戦略として企業価値が高い時に高値で売る手法がベンチャー企業を中心に進められています。一昔前だと、経営状態が悪くなり売却・自己破産という選択肢の中で使われていました。

中小企業経営者にとっては、手塩にして育てた企業を売りに出す行為は娘の婿探しのようなイメージがあるでしょう。今回は会社譲渡とはどのような内容なのか、メリット・デメリットを中心にご紹介していきますので確認しながら読んでください。

1)会社とは?4種類の会社の形態

オフィスビル

会社と1口に言われますが、いくつか種類があります。会社の形態によっては会社譲渡が難しくなる可能性もあるので、経営者の方は確認してください。

【1】株式会社

会社の形態として最も知られているもので、株式を発行し株式を保有している株主が出資して経営されます。株式を多く保有している株主は筆頭株主であり、議決権を行使することができる存在です。中小企業だとほぼ創業者が筆頭株主なので心配ありません。

【2】合同会社

株式会社と同じように考えてしまいますが、出資者(株主)が経営に参加している会社なので株式会社のように株主と経営者は分離していないという点でシンプルな会社形態です。小規模事業所などお設立する際に利用されることが多いので、逆に会社譲渡とはあまり縁がないと考えられます。

【3】合資会社

上記の合同会社と似た性質を持っている会社形態であり、イメージとして組合的な会社です。同族経営を前提に設立されている会社がほとんどでしたが、近年は設立が容易だという面が見直されてIT関連企業などを中心に作られています。

【4】合名会社

会社は1人の経営者が経営しているという形態が一般的ですが、合名会社は共同経営をしていく形態であり上記の合資会社とも近いです。難しいところですが、意見の対立があると分裂してしまう危険をはらんでいる形態となっています。

2)会社譲渡と事業譲渡の違いとは?

ビジネスの疑問

では会社譲渡について解説していきますが、会社譲渡はどのようにして行われるのか?売却ではなく譲り渡すと書くのは、単に金銭的なやり取りだけではなく会社という組織全体を対象にしているからです。

【1】会社の株式を譲渡

会社譲渡とは、会社の株式を譲って会社ごと相手に渡してしまうことです。この際株式は売却されて、現金として受け取ることができます。会社の株式を譲渡するとどうなるのか?会社の株式は出資しているから発行されているのであり、売却してしまえば関わりはなくなります。

つまり、会社譲渡をしてしまえばもはや会社とは何も関わりがなくなり全て相手側に権利が移動するということです。

【2】M&Aの主流

会社譲渡はM&Aの中で主に行われている買収方法になります。日本におけるM&Aは、中小企業が多く行っているのです。M&A仲介会社でも、中小企業に特化した会社があるなど現在それほど需要があるということでもあります。

なぜ需要があるのかと言えば、手続きが分かりやすく会社を手放したいと考えた際に、話がまとまりやすいからです。シンプルに株式を渡して売却するのですから、経営者にとっても買収側にとっても道筋が立てやすくなっています。

【3】他にはどのような方法があるの?

会社譲渡はあくまで会社を譲渡するものですが、会社をその後も経営していきたいと考えた場合会社譲渡は選択肢の中から消えます。事業内容が2つ以上あるのであれば、どちらか1つに集中するために資金を得る方法があるのです。

会社の経営からは退きたいが、譲渡はしたくないと考える人もいます。つまり譲渡して手放すのではなく、株式は所有したままで経営は相手に任せるということです。ここにも方法はありますが、1つ1つ解説していきます。

(1)事業譲渡

会社譲渡が会社全体を手放すことですが、事業譲渡は会社が行っている事業を手放すということです。例えば、思うように利益を出せない部門を処分して他の事業を強化したいなど、切り売りのようにも見えますが実際は他の部門強化のためです。

手続きが多くなるので、主流となっていない理由もここにあります。メリットよりデメリットが強い印象があるので、こういう方法もあるということだけ覚えてください。

(2)合併

合併は吸収合併と新設合併があります。吸収合併については、買収される会社を買収する企業が母体として1つの企業となる合併です。新設合併は双方の会社を消滅させて、新しい会社を新たに作って権利などを全て移設させるという合併になります。

3)会社を譲渡する5つのメリット

メリット

会社譲渡にはどのようなメリットがあるのか?メリットが大きいからこそM&Aの主流となっていますが、詳しくメリットを探っていきましょう。

【1】創業者利益

会社譲渡において一番大きな部分が、創業者利益を得ることができるという点です。ただ会社を清算するのでは、処分する費用だけがかかり手元にお金は残りません。会社譲渡は株式を相手に譲渡することで、創業者利益を手にできるのです。

【2】手続きが分かりやすい

会社譲渡はシンプルに考えると、株式を譲り渡すという部分一つでほとんど解決します。株式を譲り渡す=会社の権利を全て相手に渡すことになるので手続きもシンプルになるのです。これが事業譲渡だと株主の意向を取りまとめるなど煩雑な手続きが必要となります。

【3】買い手へのスムーズな譲渡が可能

上記の説明通り、手続きが分かりやすいので譲渡自体もスムーズに進むのです。時間をかければいいというものではなく、今まで事業をしていますから時間をあまりかけたくありません。ビジネスはスムーズに行いたいものです。

【4】株主メインで譲渡ができる

中小企業において、筆頭株主は創業者である場合が多いでしょう。これは、会社譲渡をしようと考えた場合大きなメリットです。株主が分散していると、会社を売却しようとしてもまずは意見をまとめる必要があります。

株主は自分が持っている株式の価値がどうなるのか、この一点が気になるのです。自分が保有している株式がどのくらい価値になるのかで、株主は考えるのできちんとした説明をしなければなりません。誰もが同じですが、損はしたくないのです。

この点で筆頭株主だとそこまで気を遣う必要もないので、会社譲渡も自身の意向を反映できます。

【5】後継者問題の解決

後継者問題は中小企業経営者にとって頭の痛い問題です。会社は後継者がいなければ継続していけません。単純に後継者を会社の従業員から選ぶことはなく、この辺りは世襲がメインとなります。手塩にかけて育てた会社を赤の他人に譲るなど考えられないでしょう。

だからこそ会社譲渡をして、利益を受け取って処分してしまうという選択をするのです。時代は変わってきており、親の後を継ぐという流れはなくなっています。会社譲渡は後継者問題で悩む経営者を救済する方法でもあるのです。

4)会社を譲渡するデメリットとは

デメリット

メリットが大きいからこそ会社譲渡が行われますが、ではデメリットにはどのような面があるのでしょう?メリットだけがあるわけがなく、どのようなことでもデメリットは存在します。デメリットをきちんと把握して、会社譲渡を成功させてください。

【1】会社を全て手放すことになる

会社譲渡という言葉が示すように、会社を全て手放すことになります。そんなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、何も権利がなくなるので買収した会社が会社をどのように扱っても文句は言えません。何もできないのです。

ベンチャー企業だとドライに考えられるかもしれませんが、中小企業の経営者は手塩にかけて育てた会社なので大事に扱ってほしいと考えるでしょう。しかし、会社譲渡はそのような感情とは無縁です。

【2】譲渡後の発言権はない

上記でも触れていますが、会社譲渡後は発言権が一切ありません。所有権が買収した会社に移り、権利もなくなっていますので手も足も出ません。会社がどのような扱いを受けたとしても、人事で従業員をリストラしても何も言えないのです。

【3】持ち株の比率によってまとめるのが難しい

筆頭株主であれば意思決定権がありますので、他の株主も従う方向になりますが持ち株比率が少ないと意向を取りまとめることが難しくなります。株主それぞれに思惑があり、会社譲渡をする場合は株主を全て賛成に傾けさせることが必要です。

【4】簿外債務

表面上赤字計上されていない場合でも、簿外債務が出てくる可能性があります。会社譲渡後に出てきた場合裁判に発展してしまう場合が非常に高く、大きなデメリットと言えるでしょう。簿外債務がないかしっかりと調べたうえで会社譲渡を進めてください。

【5】売れない

商売は需要があるから成立するのであり、需要がなければ成立しません。会社譲渡も同じく、会社の事業に需要がなければ会社は売れないのです。必要ないものを人は買いませんし、買うのなら安くなった時に買います。

需要があるタイミングで会社譲渡しなければ大きな損をしますので、タイミングには気を付けてください。

【6】時間と費用がかかる

手続きはシンプルですが、時間と費用はどうしてもかかります。買い手は売り手の会社がどのような会社か分かりません。また、買い手が見つかるまでに時間がかかるかもしれないので、すぐに会社譲渡できるわけではないのです。

仲介会社を使って会社譲渡をしますので、当然手数料や成功報酬も支払います。創業者利益・売却益は課税対象となっているので税金もかかるので費用面も考える必要があるのです。

5)会社の売却価格はどれくらい?

天秤

会社の売却価格はどのように算定されるのでしょう?高すぎても買い手はいませんし、安すぎれば損をします。会社の売却価格はどのように決まるのか確認していきます。

【1】マーケットアプローチ

経営している会社の事業は市場でどのような評価を受けているのかという観点から見る手法です。同じような事業を経営している会社の株価・財務指標などを中心に価格算定の参考として、どのくらいの価値があるのかを決めます。

【2】インカムアプローチ

会社がどのくらいの収益を上げているのか、将来的に収益を継続していけるのかを想定して算定する手法です。長く経営されている会社には適用されることが少なく、ベンチャー企業など成長している会社に用いられます。

【3】コストアプローチ

会社として資産をどのくらい保有しているのか、時価から負債を差し引いた金額から算定する手法です。上記までにご紹介してきた手法の中で、一番分かりやすい方法だと考えられます。特に中小企業において、時価は企業価値を算定する上で分かりやすいため用いられる場合が多いです。

【4】売却後の税金

会社譲渡が終わり、売却金額が支払われたとしてそのまま終わるわけではありません。売却益には税金がかかります。個人株主と法人株主よって税金の種類が変わりますが、それぞれの売却益にかかる税金は以下の通りです。

  1. 個人株主 所得税・住民税 20%
  2. 法人株主 法人税など 40%

売却後は税金がかかることを忘れないようにしてください。

6)会社の譲渡に関するQ&A

Q&A

ここまでに登場しなかった会社譲渡についての用語をご紹介します。

【Q1】連帯保証・担保とは?

一般的にもローンを組む際に連帯保証人・担保を設定しますが、中小企業だと創業者が連帯保証や担保設定をしている場合が多いです。会社譲渡した場合、この連帯保証・担保設定は解除されます。会社の権利を売却しているので当然と言えるでしょう。

【Q2】デューデリジェンス

M&Aを実施する上で、相手企業を監査することです。例えばネットで商品を購入する際、調べてから購入するかどうか決めると思います。デューデリジェンスはこのようなリサーチと同じで、事業・法務・税務・会計など会社の実態を監査することなのです。

【Q3】クロージング

M&Aを実施し、最終契約まで締結した段階で株式や経営権などを取引することです。

7)この記事のまとめ

会社譲渡についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょう?会社譲渡はM&Aの主流であり、メリットも多くあるため中小企業を中心に活発に行われています。デメリットもありますが、メリットが大きいので今後も増えていくと予想できるのです。

会社譲渡を考えられている方は、この記事を参考にして仲介会社へご相談ください。

参考文献

操業手帳
税理士ドットコム
Standard M&A
M&A NETWORKS
日本M&Aセンター
Wiki

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