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【2019年版】事業譲渡と株式譲渡の違いは?2つの違いを解説

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M&Aとは株式や事業の譲渡に関するスキーム(手法)です。両者とも「譲渡」となっているので何となく同じ概念に見える二つの譲渡契約ですが売買というアクション以外は全く別の手法です。ここでは事業譲渡と株式譲渡、そして会社分割について分かりやすく徹底解説します。

1)株式譲渡と事業譲渡の違い

株式譲渡と事業譲渡は何が違うのでしょうか?それは、株式譲渡は会社そのものを売却する手法、事業譲渡は会社の一部を売却する手法に二つに分類できます。ここでは両者の違いについて詳しく解説します。

【1】株式譲渡とは?

株式譲渡とは売り手企業の株主(会社所有者)が持っている株式を買い手の会社に譲渡するものです。買い手の会社は対価として現金を支払い、売り手の「株主」が受け取ります。これにより買い手の会社は経営権を取得し会社経営を引き継ぎます。株式譲渡は、中小企業を対象としたM&Aで一般的な方法です。

【2】事業譲渡とは?

事業譲渡は、売り手が会社の事業を買い手に譲渡する手法です。売り手は売却したい対象(商品・工場・権利・人材)を個別に切り売りする事が出来ます。買い手は対価として売り手の「会社」に現金を支払います。

【3】株式譲渡と事業譲渡の違い

株式譲渡と事業譲渡の違いは大きく2つあります。「会社を丸ごと譲渡するか、部分譲渡するか」の譲渡範囲の違い、もしくは「譲渡した対価を受け取るのが会社か株主か」の違いです。

株式譲渡は会社の株式を譲渡するので会社に所属する全ての事業資産が譲渡されます。もちろん営業権も譲渡されますから売り手のオーナーは原則、経営に参加できません。逆に事業譲渡では、売り手が特定の事業を切り離して譲渡しそれ以外は残せますから売り手は経営を続けられます。

2)株式譲渡のメリット・デメリット

前章では事業譲渡と株式譲渡の違いを解説しました。ここでは事業譲渡のメリットとデメリットについて解説します。

【1】株式譲渡のメリット

株式譲渡のメリットは株主(経営者)主導で行う事が出来る点です。会社を丸ごと譲渡するので、従業員も事業も建物や土地もすべてが移転し、それぞれを個別で契約し直さないといけない事業譲渡よりも手続きが簡単です。また、株式譲渡は売却益が株主に支払われるので株主にまとまった現金が手に入ります。税金も所得税15%住民税5%で済み、消費税もかからないなど優遇されています。

【2】株式譲渡のデメリット

株式譲渡のデメリットは、譲渡する際に株主総会の議決が必要な事です。会社の経営者が100%の株を持つ個人経営の会社なら簡単ですが、複数の株主がいるとそれぞれの株主の利害調整があり面倒になります。

また、経理をしっかりしておかないと監査が入って簿外債務などが発見されM&Aがダメになる恐れもあります。買い手のデメリットとしては、営業権を計上したり償却したりできないので節税効果は弱くなります。

3)事業譲渡のメリット・デメリット

会社を丸ごと売るのではなく、部門ごとに切り売りできる事業譲渡のメリットとデメリットを解説します。

【1】事業譲渡のメリット

事業譲渡では、株式譲渡とは違い会社が持つ土地・建物・人材・資材などを切り売りできます。例えば多角経営をしていて、経営が思わしくない会社がありこれを立て直すリソースがない場合にはその会社だけを事業譲渡して残った会社の運転資金を得る事も出来ます。

また、買い手のメリットは事業譲渡だと営業権(のれん)を計上し償却する事で税制上の節税が出来ますし、株式譲渡と違い不要な事業は譲受しない取り決めも出来るので安上りで機能的な買収が出来ます。

【2】事業譲渡のデメリット

事業譲渡のデメリットは手続きが面倒な点が挙げられます。会社を丸ごと譲渡する株式譲渡とは違い、譲渡する事業を選ぶ事業譲渡では売却した事業について契約を結び直さないといけません。つまり、土地・建物の権利や地権、譲渡した従業員と個別に雇用契約をやり直さないといけないのです。

もう一つ面倒なのは会社が持っている種々の許認可が引き継げないので、再度行政に申請し直さないといけません。また、売り手には法人税が40%程度、買い手には消費税が8%かかってしまいます。株式譲渡と違い自由度が高く、色々カスタマイズできるかわりに手続きが面倒で法人税も高いのが事業譲渡の特徴です。

【3】事業譲渡・株式譲渡・経営者判断ポイント

事業譲渡と株式譲渡、どちらも一長一短ですが売り手の経営者としてはどのように判断すべきなのか?例えば会社の経営基盤を強化するには事業譲渡、経営者がハッピーリタイヤするには株式譲渡などがあります。ここでは、経営者の視点から事業譲渡と株式譲渡のメリット・デメリットを考えます。

ポイント1:ポケットマネー?経営強化?

ここでは、事例ごとに事業譲渡と株式譲渡について6つのポイントを解説します。株式譲渡と事業譲渡ではどこに売却益が入るかが違います。まず株式譲渡では、株式の売却益は株主に入る事になり、あなたが経営者で同時に株主であれば、あなた個人のポケットにお金が入るわけです。

逆に事業譲渡の場合には、売却益は株主ではなく法人(会社)に入りますから個人にお金は入りません。つまり、あなたがハッピーリタイヤなどで会社経営から手を引いて退職金が得たい時や今の会社は全て売り、新しい会社を立ち上げる資金が要るなら株式譲渡が便利です。反対に会社経営の意欲満々で赤字部門を売却して、その収益でコア事業を強化したいなら事業譲渡の方が有利です。

一応、事業譲渡で得た収益を株主配当や退職金などの名目でポケットマネーに変える事は出来ます。しかし、法人税と消費税を差し引かれた上に、個人所得として所得税・住民税がかかりますので経済的ではありません。

ポイント2:契約の移転と許認可問題

事業譲渡は経営の引継ぎではなく新しい契約なので、仕入れ先や顧客との契約や債権・債務移転が必要です。しかし移転には当事者間の同意が必要なので、新契約で揉めないかどうかが問題です。さらに大きな問題は許認可を再取得で、もし取得にお金がかかる許認可だと手続きが面倒になり事業譲渡が頓挫する恐れがあります。ですので債権や債務の移転を含め、揉めそうなら契約や債権・債務の移転も許認可の再取得もいらない株式譲渡を進めた方が簡単です。

ポイント3:税金の重さ

株式譲渡と事業譲渡では利益を受け取る対象が法人(会社)と株主に別れますが節税では株式譲渡が有利です。株式譲渡の場合、消費税の課税はなく、譲渡益に対して20.315%の税金(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)が課せられます。

それに対して、事業譲渡では譲渡益が課税対象になり消費税8%がかかり、それにプラス法人税がかかります。法人税の税率はケースにより上下しますが、40%が目安で消費税と合わせると48%もかかります。税金を抑えるなら株式譲渡を採用するのが有利です。

ポイント4:株主から100%の株式取得は可能か?

未上場の企業を買収する時には、買い手は100%の株式取得を望む事が多くなります。株式は3分の2を保有すれば議決権を行使できますが、外部株主を無視する事は出来ないので100%の株式取得でないと株式譲渡に応じないケースも多々あります。

つまり、株主を取りまとめて100%の株式を売却できない場合はM&Aが失敗する確率が高くなります。一方で事業譲渡の場合には、株主総会で3分の2以上の賛同を得られれば会社の資産を譲渡できます。

ポイント5:簿外債務など会計に問題はないか?

簿外債務とは、貸借対照表に計上されていない隠れた債務を意味しています。例えば残業代未払い、借款に退職金の定めがあるのに退職給付引当金がなく債務になっている等です。

このような場合、買い手は経営を引き継いだ後、思わぬ債務を背負う羽目になります。もし会計に不安があれば簿外債務の引継ぎを除外できる事業譲渡を選ぶのが賢明です。

ポイント6:雇用関係の移転でトラブルは?

株式譲渡の場合、雇用契約はそのまま引き継がれるので改めて再契約する必要はありません。しかし、事業譲渡の場合には新規立ち上げになるので雇用契約の結び直しの作業が生じます。

全ての従業員が納得ずくならいいですが、そうでない場合には事業譲渡が頓挫する恐れもあります。雇用契約の移転に問題が起きそうかどうかで、株式譲渡か事業譲渡か決めるのも目安です。

4)税務面から見た事業譲渡と株式譲渡

すでに少し触れていますが、事業譲渡と株式譲渡では税金がかかってきます。それは、どんな名目でいくらかかるのか詳しく解説します。

【1】事業譲渡にかかる税金一覧

<売り手の税金>

法人税:税引前利益の40%

消費税:課税資産の売却額に8%

<買い手の税金>

消費税:売り手と同様

不動産取得税:固定資産税評価額の4%(土地・建物を取得した場合)

登録免許税:土地は固定資産税評価額の2%・建物は固定資産税評価額の2%

参考:M&A総合研究所

・売り手側の税金について

事業譲渡で売り手側にかかる税金の詳細を解説します。事業譲渡で売り手にかかる税金は法人税(法人事業税+法人住民税)と消費税です。ただし、法人税は売却して受け取った対価全て課税されるわけではなく、売却額から譲渡資産の簿価を引いた残りの譲渡益です。

この譲渡益がプラスの場合には、そのまま法人税率をかけて課税されます。しかし、譲渡益がマイナスだったり会社自体が赤字だとマイナスや赤字分の法人税金分は差し引かれます。これを見ると、明らかに赤字の会社でも事業譲渡が成り立つ理由が分かりますね。

しかし、消費税は譲渡する資産にかかる税金なので法人税がマイナスでも課税されます。また、消費税でも土地以外の有形固定資産と無形固定遺産、棚卸資産、営業権にはかかりますが土地や有価証券、債権にはかかりません。

・買い手側の税金について

事業譲渡においては売り手だけでなく買い手にも消費税が課税されます。というより、消費税は売り手側から請求されるので、買い手はそれを支払う税務が生じます。また、事業譲渡で売り手側から不動産を取得した場合には買い手に不動産取得税と登録免許税が発生します。

【2】株式譲渡にかかる税金

<売り手の税金>

所得税・住民税:所得税+法人税で売却益に対しておよそ20%

<買い手の税金>

なし

・売り手側の税金について

株式譲渡では、株主(経営者)が買い手に株式を売却します。この場合には株式を売却したのは個人なので所得税と住民税が課税されます。

・買い手側の税金について

株式譲渡の場合には買い手に消費税や法人税の課税はありません。

5)会社分割とはどんな手法?

ここまで事業譲渡と株式譲渡の違いについて解説しました。ですが、M&Aの形態にはもう一つ、会社分割というスキームもあります。ここでは、第3の手法会社分割について解説します。

【1】第3の手法会社分割とは?

会社分割とは会社の中から事業の一部、もしくは全部を切り出して他の会社に移転する手法です。切り出した事業を新しく設立する会社に承継する手法を「新設分割」すでに存在する他社に承継するのを「吸収分割」と呼びます。

また、会社分割によって事業を承継すると株式が発行されますが、その株式を誰が持つかでも分類され事業分割した会社が持つ場合を「分社型分割」事業分割した会社の株主が持つ場合を「分割型分割」と言います。このように会社分割には新設及び吸収の組み合わせで2×2=4パターン存在します。また、会社分割は事業の売買目的ではなく組織再編手法として考えられ、売買を目的とするM&Aとは区別されています。

【2】会社分割のメリット4選

会社分割には、事業譲渡や株式譲渡にはないメリットがあります。それはM&Aに現金が不要だったり、事業の切り売りが可能なのに契約を包括的に引き継ぐので種々の契約を結び直す必要がなかったり、一定の条件を満たすと所得税や消費税が無税になる事もあります。ここでは、まず会社分割のメリットを見てみます。

・現金がなくてもM&A出来る

会社分割のメリットについて解説します。会社分割のメリットは、他のM&A手法と違い買い手が対価を株式で支払え十分な現金がなくてもM&A出来る事です。

ただ、売り手が現金を対価として要求している場合にはこのメリットは消えてしまいます。また買い手の対価とするのが非上場企業の株式である場合、売り手が現金化するには困難が伴います。この場合には、株式を対価に出来る会社分割のメリット自体が消えてしまう事になります。

・事業の切り売りが可能

会社分割では、事業譲渡と同じく一部事業のみの譲渡が可能です。その為、グループ内再編や合併・事業譲渡の代替手段と柔軟な活用が可能です。また、ノンコア事業を吸収合併で他社に売却すれば資金を獲得すると同時にコア事業にリソースを集中できます。このように会社分割は「選択と集中」の意思決定が効率的かつ柔軟にできるのです。

・契約を包括的に引き継げ簡単

会社分割は、組織再編の為の手法なので資産や債務、契約を包括的に承継でき手続きが簡単です。また雇用契約の移転も従業員から個別に同意を得る必要なく実行できます。あらためて雇用契約を結ばないので人材流出のリスクを軽減できるメリットがあります。許認可についても一部を除けば、そのまま継承出来、許可をもらえればすぐに営業できます。

・税負担が軽い

会社分割のメリットとして他のM&A手法と比べて税金の負担が軽い点があります。まず、会社分割により資産を包括的に継承すると消費税は課税されません。そして、所得税についても一定の条件を満たすと所得税が課税される譲渡損益や配当金を無税に出来ます。

そのような譲渡損益や配当金が無いものとされる会社分割を「適格分割」と言います。逆に譲渡損益や配当金があるとみなされる事を「非適格分割」と呼びます。本来なら適格分割が理想ですが、条件が非常に複雑なので素人がやると課税される恐れがあります。適格分割や非適格分割の条件は、後の章で詳しく見ていきます。

【3】会社分割のデメリット

会社分割にはデメリットもあります。それは、不要な資産を引き継いだり、簿外債務を引き継ぐリスクや株主総会の特別決議が必要だったりです。また債権者への異議申し立ての機会を与え申し立てがあった際には弁済するなどの手続きを取る必要もあります。

・不要な資産や簿外債務を引き継ぐリスク

会社分割のデメリットについて見ていきます。会社分割では、会社を丸ごと引き継いだ場合、不要な資産や簿外債務を引き継いでしまうリスクを回避できません。必要がない資産を受け継いだ場合、後々の利益を圧迫して収益の悪化を招く可能性もあります。不要な資産や簿外債務を避けたい時には事業譲渡を選択するのが賢明です。

・株主総会の特別決議が必要

会社分割を実施する際には、株主総会の特別決議が必要です。特別決議においては3分の2以上の賛成が必要になりますが、株主が多い会社や身内以外の部外者株主が分散すると必要な3分の2の賛成票を得られない可能性があります。

・債権者保護手続き

会社分割を実施する上では、債権者保護手続きが必要です。まず官報公告により会社分割の実施を告げ、会社分割の実施や双方の会社の商号と所在地、貸借対照表を公告します。次に知れたる債権者(事業の継承を通して債務者が変更する債権者)に公告します。

その中で債権者異議が申し立てられた場合、会社は債権者に対して弁済するか、弁済に相当する担保の提供あるいは財産を信託しないといけません。しかし、会社の資産や運営状況が良好か、債権額が少額で債務者への弁済に影響が薄いと判断された時には、上申書を法務局に提出する事で組織再編手続きを続けられます。この一連の手続きは債務が他会社に移転する事により債権者が弁済を受ける権利が不安定になる事に対する保護です。

【4】会社分割の適格と非適格の基準

税金を優遇されるかどうかの分かれ道になる適格案件と非適格の案件、非適格になると会社分割のメリットは半減してしまうと言えます。では、適格と非適格の基準はどこにあるのでしょうか?ここでは、㈰完全支配関係にある会社間の適格要件、㈪支配関係にある会社間の適格要件、㈫共同事業の適格要件における適格と非適格の基準を解説します。

・完全支配関係の会社間

完全支配関係、支配関係、共同事業の3点に関する適格案件を解説します。完全支配関係にある会社間では、以下の2つの要件です。

→金銭不交付要件:金銭を交付せず、親会社や承継法人の株式で支払う事。

→継続保有要件:会社分割の前後で完全支配関係が継続している。

こちらをクリアする必要があります。

・支配関係にある会社間

完全支配下にある会社関係では、完全支配関係にある適格要件に加えて、

→事業移転要件:およそ80%以上の従業員が引き続き分割事業に従事する

→事業継続要件:会社分割後も引き続き事業が継続される

こちらの2つの要件をクリアする必要があります。

・共同事業の適格案件

共同事業をする会社同士では、適格案件はもっとも厳しくなり以下の二項が加わります。

→事業関連性要件:相互会社の事業に関連性が認められる

→選択要件:同規模要件」か「双方経営参画要件」のいずれかを満たす

6)事業譲渡・株式譲渡のQ&A

事業譲渡と株式譲渡似ているようで内容が違う2つのM&Aについて解説してきました。ここからは、上記で取り上げなかった事業譲渡M&AについてのQ&Aにお答えします。

【1】M&Aの手法は事業譲渡と株式譲渡と会社分割だけですか?

M&Aは会社を売買する手段なので、会社再編を目的とした会社分割は主要な手法ではありません。なので厳密に言うとM&Aの手法は株式譲渡と事業譲渡の二種類です。しかし、この事業譲渡と株式譲渡は、そのバリエーションが六種類に分類されています。

まず、会社の全部を譲渡する方法として、㈰株式譲渡、㈪株式引き渡し、㈫合併、㈬株式交換・株式移転があります。そして会社の一部事業を譲渡する手法には㈭事業譲渡と㈮会社分割があります。

【2】株式交換でM&Aを考えているけど、注意するポイントはある?

原則として株式は自由に譲渡できる事になっています。ただし、会社に好ましくない不適切な第三者が株式を手にする事を防ぐために定款に譲渡制限をかける事があります。このような事例は主に中小企業に多いのですが、定款を無視して株式を売買しても会社の承認を得ない限り会社に対して譲渡の効力は生じません。

譲渡制限を解除するには、取締役会が設置されている会社では取締役会、設置していない会社の場合には株主総会で承認を受けるのが一般的です。しかし、株式売買には「みなし承認規定」もあり、これは会社側が一定の期間、譲渡承認請求者に認否の通知を怠った場合その請求を承認したものとみなすという規定です。

・こちらから譲渡承認請求を出して二週間経過しても会社から通知がない。

・会社から譲渡承認請求を不承知する通知が出て40日間経過しても会社が当該株式を買い取る通知をしない。

このようなケースでは会社の承認が無くても株式売買は成立し会社への効力も生じます。

【3】敵対的な買収って何?

敵対的買収とは友好的買収の対極に位置するもので、買収しようとする会社の合意を得ないで進める買収です。買収を仕掛ける側は基本的にTOB(公開買い付け)を活用して市場価格の二割から五割増しで買収したい会社の株を買い集めます。

これにより過半数の株式を取得すると買収を仕掛けた会社は旧経営陣の退陣を要求し相手企業の支配権を掌握できます。かつては、ライブドアや王子製紙のような有名企業が敵対的買収を仕掛け随分メディアを賑わしましたが、今ではすっかり下火になりました。

理由は、敵対的買収にはかなりの資金力が必要である事と、成功に至らな買ったケースがほとんどだったからです。敵対的買収に懲りた日本企業は、それぞれ防衛策を講じましたが、最近はそのような防衛策は次々に撤廃されています。これは株主が、より有利な条件で株式を買ってくれる相手を経営陣が締め出していると不満を持っているからです。ですので、近年は下火になっているとはいえ、投機的な株主の多い会社は敵対的買収に遭わないとも限らないのです。

まとめ

事業譲渡と株式譲渡の違いを解説してきました。それぞれをまとめると以下のようになります。

・事業譲渡は会社の一部分を切り売りする手法で株式譲渡は会社を丸ごと譲渡する手法

・事業譲渡の売却資金は「会社」に入るが株式譲渡の売却資金は「株主」に入る

・事業譲渡での税金は法人税や消費税などで48%程で株式譲渡での税金は所得税と市民税で20%

・事業譲渡は事業の切り売りが出来るが契約再締結など手続きが煩雑、株式譲渡は丸売りなので手続きが簡単だが簿外債務や不要な事業も受け継ぐ

・会社分割は組織再編の手法で「新設分割」と「吸収分割」に分かれ、さらに発行株式を会社が持つ「分社型分割」と株主が持つ「分類型分割」に分かれる。

・会社分割のメリットは、現金を使わずに株式交付で会社を譲渡でき、適格案件を満たすと消費税や譲渡損益や配当金を無税に出来る。

・会社分割のデメリットは包括的に事業を引きつぐので簿外債務や不要な事業を引き継ぐリスクがあり、債権者保護や株主総会特別決議なども必要。

以上が事業譲渡と株式譲渡に関する違いのまとめになります。

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